神経を取ったのになぜ痛い。

「歯の痛み」と聞いて、誰もがまず思い浮かべるのは、歯の中の神経(歯髄)だと思います。皆さんも大きな虫歯を作り、いわゆる「神経を取る」や「神経を抜いた」歯が一本くらいはあるのではないでしょうか?

これは虫歯などで細菌に感染して、もはや生き返ることのなくなった歯髄を取って、できるだけきれいにして薬剤を詰める治療のことです。治療回数も数回かかります。したがって、痛みが一回でピタリと無くなればよいのですが、治療途中や治療終了後でもまだ、痛みや違和感が残っていると多くの方は「神経を取ったのだから、ピタリと痛みがなくなるはずだ」と考えたり、「治療がうまくいっていないのでは?」と感じたりするかもしれません。

しかし、それ程単純な問題ではないのです。

神経を取っている歯でも物を噛んだりすると噛んだ感覚はありますよね。

つまり、歯の神経は歯の内部だけではなく外部にも存在しているのです。歯髄は神経のネットワークのほんの一部にすぎません。ですから歯髄を取り、歯の内部の炎症を取り除く治療が成功しても、歯の外部にまで細菌感染が及んでいたら、その炎症が体の免疫によって押さえ込まれるまでは「痛み」や「違和感」を感じるのです。したがって「治療が失敗」している訳ではないのです。

私たち医療サイドは可能な限りそのような症状が出ないように努力をしていますし、患者様も神経を取らなくてはならないような状態にならないように日頃から定期検診を受けることをおすすめ致します。

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