インプラント使い回しの記事に関して

先日、テレビや雑誌のマスコミでも取り上げられていましたが、愛知県のある歯科医院で、既に患者さんに使用したインプラント体を別の患者さんに再利用していたというショッキングな記事がありました。もちろんはっきりした事実関係は解っていないそうですが。(インプラントに関しての詳しい説明は当医院のインプラントのページを御覧下さい)

もし、このようなことが事実であったということを仮定してお話をさせて頂きますと「倫理」の問題として絶対あってはならないことです。私達医療人だけではなく他の業種も同じだと思いますが、もし「その患者さんが自分や自分の家族だったら」と考えればそのような行為ができるはずもありません。身体や心を治す立場の人が、感染させてしまうかもしれない行為を行うということは理解に苦しみます。以前にも銀座の眼科でのレーシック手術でも同じようなことが話題になりましたね。

インプラント治療は歯科医療に革命を起こしたすばらしい治療法です。

トレーニングを受けたドクターが、正しいルールに従って行えばかなりの高い確率で成功します。(もちろん100%ではありません。)したがって今回のこの事件のように使い回すインプラント体はほとんど存在しないはずです。

インプラント治療は通常の保険診療に比べれば費用は高いかもしれません。しかし、それには理由があります。

材料や器具の費用、手術の時間(当院では他の診療は休診にします。)、人件費、トレーニングに費やした費用、保証などを考慮するとある程度の費用が決定されます。今回の事件でも聞くところによると比較的安い料金だったと聞きます。

インプラント治療はすばらしい治療ですが、全てではありません。それが患者さんに合った治療法であれば大きな意味があると思います。

今回の記事で、インプラント治療に与えたマイナスイメージはかなり大きいと思います。しかし、私達はインプラント治療が今後の歯科治療になくてはならない存在である以上、正しい知識、正しい治療法を患者さんに詳しく説明し、理解していただけるように努力していきたいと思っています。

2010-01-25 23:28 その他 Comments(0) Permalink

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