顎関節症
最近、顎関節症だろうと思われる患者さんが増えてきている気がします。
そもそも顎関節症とは顎の関節や筋肉の痛み、口が開けにくい、関節が鳴る、等の症状を持つ生活習慣病の一つと考えられています。20代から30代の女性に多いのが特徴的です。原因ははっきりしておらず、噛み合わせが一番の原因と思われていましたが、そうではないみたいです。今、原因としては精神的なストレスからくる身体の緊張や噛みしめ、そしてほおづえや睡眠姿勢などの態癖が重要視されています。前者に関しては、本来口を閉じていても上下の歯は接触していないのですが患者の7割は食事や会話の時以外でも歯を接触させる癖があります。それだけで筋肉は疲労してしまいます。後者はまさしく日常の何気ない生活習慣からくるものであります。
治療法も過去には手術をしたり、歯列矯正をしたり、歯を削って噛み合わせを変えたりしてきましたが、治療成績は思ったほど良くはありませんでした。現在では危険の少ない治療法を優先すべきという考え方から、スプリント(歯科用マウスピース)や意識して上下の歯を接触させないようにし、口が開けにくい場合は少しずつ開口訓練を行うなどでも効果があるとされています。
どちらにしても確固たる治療法はありませんので、上手く付き合うことができるように心掛けることが大切だと思っています。
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