矯正歯科治療とは「不正咬合」を改善し、正しくかみ合うようにして、きれいな歯並びにしていく治療です。
欧米人の歯並びの綺麗さには皆様もお気づきのことと思います。その理由は、親が子供に対して「教育」の次に「矯正治療」を義務として考えているからです。何故か?それは就職や進学に大きく関係してくるからです。企業や学校の面接官は歯並びが悪いと「自己管理ができない人」と判断するそうです。そのため欧米では小学校の4人に1人が矯正治療を行っているとも言われています。
日本でも最近は矯正治療に対するニーズも高くなりつつありますが、まだまだ情報も十分とは言えないのが現状かもしれません。
私は長年多くの患者様を矯正治療してきましたが、不正咬合のままの患者様と長期的に比較すると正常咬合の方のほうが明らかにトラブルが少ないと感じています。
また、私自身も、矯正治療後に満足のいく結果が得られたときの患者様の喜ぶ姿に生き甲斐を感じます。
これらは代表的な不正咬合の種類ですが、その他にもこれらが合わさったものや歯性のものや骨格性のものが存在します。
正常咬合
叢生
上顎前突
開咬
反対咬合
症例
- 主訴
- 歯並びがガタガタ
- 診断名
- 叢生を伴う上下顎前突
- 年齢
- 15歳5ヶ月
- 治療に用いた主な装置
- マルチブラケット装置、パラタルバー
- 抜歯部位
- 上下顎左右第一小臼歯
- 治療期間
- 1年6ヶ月
- 治療費
- 約68万円
- リスク副作用
- 治療中に歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症、歯牙移動時の疼痛、歯の動揺、歯肉炎、う蝕、口内炎、咬合調整、治療後に後戻りの可能性があります。
- 主訴
- 口元が気になる
- 診断名
- 叢生
- 年齢
- 28歳
- 治療に用いた主な装置
- マルチブラケット装置、パラタルバー
- 抜歯部位
- 上下顎左右第一小臼歯
- 治療期間
- 2年4ヶ月
- 治療費
- 約76万円
- リスク副作用
- 治療中に歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症、歯牙移動時の疼痛、歯の動揺、歯肉炎、う蝕、口内炎、咬合調整、治療後に後戻りの可能性があります。
子供の矯正治療は治療開始時期が永久歯への交換時期に重なることから「第一期治療」と「第二期治療」に分かれます。
「第一期治療」とは永久歯が生え揃うまでの期間の治療のことで「第二期治療」とは永久歯交換後の本格的な矯正治療の事です。
第一期治療からのスタートですと治療期間は長くなりますが、正しい顎顔面の成長発育を促進したり、非抜歯治療を可能にしたり、第二期治療への移行をスムーズにできるというメリットがあります。
もちろん、第一期治療のみで終われる場合もありますし、第二期治療が必要となる場合もあります。
しかし、この時期を逃すと見た目の悪い事を気にして、引っ込み思案になったり、思いきり笑えなかったりすれば、多感な中学高校の時期を有意義に過ごす事ができないかもしれません。
もしかしたら人生の可能性を狭めることになるかもしれません。その子の人生にとって不利になりそうなリスク要素には早めに対処して子供の可能性を広げていくのも親の務めかもしれません。
状態や年齢によって治療開始時期は異なりますので「いつから始めたらいいの?」と悩まれている保護者の方はお気軽にご相談下さい。
「大人でも矯正治療はできるの?」「だんだん歯並びが気になりだした。」という方は多いと思います。大人でも歯や歯茎の状態が悪くなければ問題はありません。
ただ子供と違って顎の成長発育は期待できませんので条件的には少し不利になることはあります。
つまり、子供の治療と比較して治療期間は少し長くなり、抜歯治療になる傾向があります。
子供の矯正治療(第一期治療)で使用されることの多い装置です。
取り外しのできる装置で顎を拡げたり、歯を動かしたりする装置です。
考え方としては、永久歯が正常に並ぶ隙間がないのは顔、顎の成長が悪く、本来の機能が不足しているためという考え方から、取り外しのできる装置を使用して矯正力を作用させ、あとは咬む訓練をすることにより顎顔面が正常な機能を取り戻すのを助けようとすることです。積極的に歯を動かす装置ではありません。取り外せるが故、本人の協力はもちろんご家庭での協力が治療成績に大きな影響を与えます。
後に第二期治療が必要になることも多く適応症かどうか正確な診断が必要です。

従来、乳歯列期の反対咬合は自然治癒を期待して「生え替わりまで様子を見ましょう」とするのが一般的でした。
しかし、歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)は早期の改善を目的としているため3歳から使用が可能です。「歯列矯正用咬合誘導装置」とも言われているように舌圧と口唇圧のアンバランスを改善することによって顎が正常に成長するように促す装置です。就寝時の使用です。
即効性はありませんので1年くらいの使用は必要になります。
骨格性の反対咬合には効果はありませんので矯正医の適確な診断は必要不可欠です。
既製品を使用しますので、歯型取りの苦手なお子様にも有効な場合があります。
完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

マウスピース型の審美性の良い装置です。
ワイヤーを使用しないため、発音障害、違和感など患者様の負担を軽減させることが可能です。可撤式のため取り外してブラッシングが可能であり口腔内を清潔に保つことが可能です。
しかし、難しい歯並びには適さず、歯の動くスピードもゆっくりです。適応かどうか診査診断が必要です。
完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
今までの矯正治療では、患者様のご協力をいただいてヘッドギアやゴムなどの装置を使用していたため、患者様には大変ご不便をおかけしていましたが、この術式では口の中にごく小さな歯科矯正用アンカースクリューを植えて歯を引っ張る支え(固定源)とすることによって、ヘッドギアやゴムなどを使用せずに同じ治療結果を得ることができるようになりました。
また、今までは抜歯しなければ治らないような症例も歯科矯正用アンカースクリューを用いれば抜歯しないですむ場合も多くなり、外科手術で顎を切除する必要があった症例も歯科矯正用アンカースクリューを用いれば顎を切ることなく治すことが可能になりました。
その他、部分的な歯並びの治療も歯科矯正用アンカースクリューを用いれば簡単に行えます。
埋入も撤去も少量の麻酔で簡単に行えます。


小児の矯正治療を行う上で併用する事が望ましいと思われる場合に行っていきます。 不正咬合は家系の遺伝だけではなく、指しゃぶりや舌突出癖、アレルギー性鼻炎や扁桃肥大などによる口呼吸などによっても引き起こされます。
歯の位置は、歯列を取り囲む舌や口腔周囲筋のバランスにより影響を受けています。つまり、不正咬合の成立には形態と機能がお互いに影響し合っており、歯を動かすだけではうまくいかない場合が多々あります。
MFTは舌突出癖や口呼吸により弛緩した口唇を訓練により調和のとれた状態に改善する療法で咀嚼、嚥下、発音、安静時の舌位や口唇位、呼吸などの口腔機能の改善を目指して舌や口腔顔面筋を訓練し筋肉を強調させる療法です。
効果がはっきり目に見える形では出ませんが、当院では不正咬合を治療する上で非常に重要だと考えております。
通常の矯正治療とは異なり、ある歯に限定して矯正治療を行うものです。
例えば虫歯が大きい歯で、動かさなければ被せられないような歯やブリッジ、インプラント、入れ歯などの治療を行うために前処置として行う場合、また骨の中に埋まっている歯を引っ張り出すために行ったりする治療です。