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根面う蝕(歯の根元の虫歯)

う蝕(虫歯)は発生する歯の場所によって、名称が変わります。

平滑面う蝕は進行が遅く、最も予防がしやすく、治療も難しくないタイプのう蝕になります。

小窩裂溝う蝕は歯の咀嚼面や頬側の細く深い溝にでき、汚れも付きやすく、歯ブラシも届きにくいためにう蝕になりやすく、進行が早いのが特徴です。若年者の臼歯はそれが顕著です。

根面う蝕は歯茎が下がったために露出した歯根の表面を覆っているセメント質から始まるう蝕です。通常は中年以降に多くできます。歯茎が下がる理由としては加齢や歯周病などがあります。付け根は磨き残しも多くなり、歯磨きも困難な部分です。また加齢と共に唾液の分泌量が減少、糖分の多い食事などが要因として考えられます。現在は超高齢化社会になっていますので、認知機能低下や要介護状態になって自分で歯磨きが十分にできなくなると更に状況は悪化します。セメント質は虫歯に対する抵抗性も低いことから、一度虫歯になると治療が完了しても、再発しやすくなります。したがって、それ程進行しないだろうと判断した時は敢えて経過観察を続けることもあります。

根面う蝕を防ぐためには、まず歯茎を下げないことが重要です。そして予防と早期治療が重要です。年に3回くらいは定期検診で歯周病や虫歯のチェックを受けることをおすすめします。予防の具体的な対策としてはまずはシュガーコントロールなどの食生活の改善です。ブラッシング指導を受け適切な磨き方を習得することも大切です。そしてフッ素による予防です。まずは家庭でのフッ素入りの歯磨き剤(フッ化物濃度1400 ~ 1500ppm)を就寝前を含め1日2回使用します。あまりブクブクうがいをし過ぎないようにすることがポイントです。また定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を塗布することも効果的です。

超高齢化社会においては根面う蝕はある程度は避けられませんが、治療をおこなっても再発のリスクは低くありませんので、やはり予防が重要であることに間違いはありません。

お悩みや疑問点がありましたら、当院にお気軽にお問い合わせいただければと思います。

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