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院長ブログ
睡眠障害への対処12の指針
人の三大欲求の一つである睡眠。
生命を維持するために必須であるのはもちろんのこと、健全な日常生活や社会生活を送るうえで、非常に大きな役割を果たしています。
睡眠の重要な3つの要素
・長さ
日本人の睡眠時間は世界的に見ても短く、OECD(経済協力開発機構)への参加33カ国の中でワースト1で7時間22分である。ちなみにアメリカや中国は約9時間である。
睡眠時間は長くても短くても死亡リスクが上昇すると言われています。
そのため、睡眠時間が長ければ良いというわけではありませんが、明らかに短いと心血管リスクが3倍以上高
くなると言われています。
そして経済的な損失も大きいと言われています。
昭和や平成の時代は「削れるところは睡眠時間」という空気でしたが、コロナ禍以降は睡眠への関心が高まり、今はそうではないのです。
・質
睡眠呼吸障害の存在のため、睡眠の質は大きく低下すると言われています。
それは人種によらず5~10%にみられると言われています。
その中の一つの閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は代表的なものです。
これは解剖学的なバランスと神経調節機構(咽頭筋活動)が破綻することで咽頭気道に閉塞が生じる病態です。
・リズム
交代勤務睡眠障害:交代勤務により睡眠時間帯が頻繁に変化することで生じます。
社会的ジェットラグ:平日の睡眠と休日の睡眠とのズレによって生じます。
日本の平均社会的ジェットラグは約55分です。
平日の「睡眠負債」を休日に「寝だめ」することによって解消しようとするとリズムを崩すことになりかねません。
厚生労働省の睡眠障害対処12の指針
①睡眠時間は人それぞれであり、日中の眠気で困らなければ十分である:8時間にこだわる必要はない
②刺激物を避け、寝る前に自分なりのリラックス法をとる:就寝前4時間のカフェイン摂取や就寝前1時間の喫
煙を避ける。軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
③眠たくなってから床に就く、就寝時刻にこだわりすぎない:眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪
くする
④同じ時刻に毎日起床
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる。日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる。
⑤光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオンする。夜は明るすぎない照明にする。
⑥規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進
⑦昼寝をするなら15時前の20~30分
長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
⑧眠りが浅い時はむしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る。
⑨睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のピクつき・ムズムズ感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要。
⓾十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意。
⑪睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる。
⑫睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない。
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